綴.|Vol.03 KAPTAIN SUNSHINE “WORK COAT - BLACK DENIM EXCLUSIVE”
綴.|Vol.03
KAPTAIN SUNSHINE “WORK COAT - BLACK DENIM EXCLUSIVE”
古い意匠を、現代の空気で。
はじめに
CROUKAの買い付けを担当している柁原と申します。
今回ご紹介するのは、KAPTAIN SUNSHINE(キャプテンサンシャイン)に別注を依頼した特別なワークコートです。
ベースとなったのは、当時のフィールドジャケットやハンティングコートを原型にしたモデルだと推測します。
その完成された構築美に、ブランドが近年手掛ける“BLACK DENIM”を掛け合わせることで、静かな存在感をまとった一着に仕上がりました。
さらに、衿と袖口にはレザーを使用。異素材の組み合わせが、クラシックな印象の中にほんのりと艶を添えています。

定番のその先にある素材
KAPTAIN SUNSHINEのデニムといえば、まず思い浮かぶのはONE WASH。
創設当初から続く象徴的な素材であり、その完成された質感は今も揺るぎません。
そこから派生するかたちで生まれたのが、このBLACK DENIMです。
深みのある黒の中にわずかな光沢を宿し、穿き込むほどにグレーの陰影が浮かぶ。
静かな表情の中に、確かな個性が息づいています。
今回の別注では、その“もうひとつの定番”を主役に据えました。


形を変えずに、文脈を更新する
原型は、20世紀初頭のアウトドアウェアやミリタリーウェアにあると考えます。
ハンティングジャケットの大きなポケットや、動きを妨げないラグランスリーブ、立体的な衿の構造。
当時の実用性に根ざしたディテールを、KAPTAIN SUNSHINEが現代的な感性で再構築しています。
その完成度の高い設計にBLACK DENIMを合わせ、さらに衿と袖にレザーを組み合わせることで、懐かしさと新鮮さが共存する一着となりました。


素材が変わると、空気が変わる
BLACK DENIMは、ONE WASHに比べてやや硬く、よりドライな質感。
その無骨さが輪郭を際立たせ、陰影に深みを与えます。
光の当たり方で黒から墨色へと移ろうトーンは、時間とともに柔らかく変化し、
着る人の動きや癖をゆっくりと刻んでいきます。
そこにレザーの経年変化が重なり、異素材同士がそれぞれの表情を深めていく。
新品のときよりも、数年後の姿を想像したくなるような服です。


COMMENT
「古い時代のアウターを下敷きにした形だからこそ、素材で“今”を表現したいと思いました。
BLACK DENIMは、定番の延長線上にありながら、確かに新しい魅力を持っている。
そこにレザーを組み合わせることで、より立体的に、KAPTAIN SUNSHINEらしい“現代のクラシック”に仕上がったと思います。」

おわりに
流行や時代を越えて続いていくものには、必ず“文脈”があります。
それをどう受け取り、どう現在に引き寄せるか。
今回の別注は、そんな問いから生まれました。
古い意匠と、新しい素材。
そして、異素材の対話。
その交差点に、KAPTAIN SUNSHINEとCROUKAが共有する静かな美学があります。

▮KAPTAIN SUNSHINE for CROUKA
WORK COAT - BLACK DENIM EXCLUSIVE
Selector: Kajiwara (@crouka_kajiwara)

