記事: 綴.|Vol.02 佐藤さんにお願いした カムズ“別注 BALOON HAT”
綴.|Vol.02 佐藤さんにお願いした カムズ“別注 BALOON HAT”
綴.|Vol.02
佐藤さんにお願いした カムズ“別注 BALOON HAT”
洗えるウールという、新しい日常。
はじめに
CROUKAの買い付けを担当している柁原と申します。
今回ご紹介するのは、帽子ブランド COMESANDGOES(カムズアンドゴーズ) に別注した、ウォッシャブルウール仕様のバルーンハットです。
形自体はブランドの中でも定番として展開されていますが、今回の別注では素材そのものを見直すことで、日常により寄り添う一品に仕上げていただきました。
きっかけは、日常の中の小さな違和感から
昨年販売された同モデル、普段使いはもちろん、旅行や食事など、さまざまな場面で重宝していました。
ただ、ひとつだけ気になっていたのが「洗いにくい」という点。
特にご飯屋さんの匂いが帽子に残ってしまうのが気になり、
何度か自己責任で洗っては、形を整え、ドライヤーで乾かして……を繰り返していました。
それでも少しずつ形が崩れていき、「被りたいのに、お手入れが大変で出番が減っていく」ことに、もどかしさを感じていました。
そんな経験から、「洗えることを前提にハットをつくりたい」という想いが生まれ、今回の別注を提案しました。
素材を変えるという選択
今回採用したのは、ウォッシャブルウール(洗えるウール)。
通常のウール糸は繊細で、風合いを保つ反面、水洗いが難しい素材です。
しかしこの糸は特殊な加工を施しており、洗濯をしても縮みにくく、
型崩れしにくいという特徴を持っています。
糸の細さと柔らかさが絶妙で、触れたときのなめらかさはそのままに。
水に強く、普段使いに適した耐久性を備えながらも、
見た目にはウールならではの自然な温もりと深みがあります。
ウール特有のチクチク感はなく、空気を含むような軽さ。
落ち着いた光沢がありながらも主張しすぎず、
あくまで日常に自然に馴染む表情をしています。
機能性を高めることで、使う人の気持ちが少し軽くなる。
そんな発想から生まれた、プロダクトです。
形は変えずに、本質を更新する
フォルムはブランドが長年つくり続けてきた定番の形をそのままに。
深さやツバの角度、縫製のテンションまですべて既存のバランスを尊重しています。
“変えたのは糸だけ”。
しかし、その小さな変化が、日常の中での心地よさを確かに変えてくれます。
COMMENT
「実体験から、本当に使いたいと思えるものを形にしました。
定番の形に“洗える”という安心感が加わるだけで、
また自然と手に取りたくなる。
気づけば、このハットが生活の一部になっている。そんな存在です。」
おわりに
ファッションをただの装いではなく、
暮らしの中で呼吸を整えるものとして捉えています。
COMESANDGOESのこの別注ハットは、その思想を静かに体現する存在です。
◼︎COMESANDGOES for CROUKA
WASHABLE WOOL KNIT BALLOON HAT
Selector: Kajiwara (@crouka_kajiwara)